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【祇園町屋 -ダークナイト-】

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敷地と歴史
この建築は、京都の祇園に建つ。祇園は、芸者や舞妓が生きる。花街(かがい)という。今は花街と言うが、江戸時代には遊廓と言った。遊廓というのは、初めは遊女町ではなかった。男と女の旅芸人が、ひとところに集まったところを言い、その隔離した区域を遊廓と呼んだ。そこで生きる者たちは、歌や踊りをした。演劇や芸能を行った。いわゆる歌舞伎である。女の芸人を伎子(げいこ)とか、大夫(たいふ)と呼んだ。それが芸者、舞妓の元である。今は、少し寂れた路上に建つ。

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建築
バーと会員制のカラオケである。…庶民的に人々が集まる店ではない。

  1. W 5.59×D21.72メートルの、細長い敷地一杯を、高さ6.3メートルの壁で囲む。道に対しては2枚の壁がずれて重なっている。その間から入る。門である。
  2. 内に砂利を敷きつめた庭がある。 W4.08×D11.90メートル。この庭が、バーである。禅寺の庭のようだ。
  3. 砂利の地面に穴が空いている。階段がある。地下通路へ下りる。奥の塔へ行く。
  4. 奥の塔は3階建て。1層に一部屋ずつ3部屋ある。カラオケ・ルーム、 W4.58 ×D4.00メートルの部屋が、地下1・地上2階に3つ、積まれてある。庭から、それらがあるようには見えない。

門、庭、地面、穴、階段、地下通路、塔、部屋、秘匿された世界が小さな空間に満ちている。
バーにいる男と女が出会い誘いあう。誘いあって来る。奥の部屋で歌を歌う。歌に飽きたらバーへ出て行く。
屋根とすべての壁とに、屈曲したスリットが切ってある。

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屈曲したスリット
スリットの造形は、女が身を屈して舞う姿である。見えないものが闇や雲のなかに住んでいる、その妖しさに似ている。

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ワン・ナイト・スタンド
「その場所で、わたしは、わたしの身体を使って語り、歌う」
漂着。ここへたどり着く、やっと着く、自分が消えることなくてよかった、まだ生きてる、そうして酒を飲んで、消滅など知らず。
この日常の亡命者を相手に、芸術と生活の相違を曖昧にしてやる。ここで建築は、わけのわからない絶頂よ。

深い夜の 立ち篭めてくる 街の影と セックスに満ちた そこに居所を見つける ワンナイトスタンド 難解でダークな私

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  • 建築データ:「祇園町屋」
  • 構造:地下・鉄筋コンクリート造、地上・鉄骨造
  • 規模:地下1階、地上2階
  • 用途:店鋪